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「うつは心の薬害。」

~抗うつ薬により、難治性大うつ病になったパパの手記~

  1.概要

  2.目次

  3.サンプル文章

  ​4.背景の核心

背景の核心:

「うつは心の薬害。」の背景となった精神医療問題の核心は下記の通りです。患者として、下記事実に翻弄される自身の姿を描いています

 

 

  1. 1998年の段階で、厚生労働省の研究費を受けた精神科薬物療法研究会は、うつ病の軽症患者には薬物療法が効かないことを認知している。

  2. 2000年にグラクソ・スミスクライン(GSK)が「うつは心の風邪」キャンペーンを実施した際は当初より、抗うつ薬の適応と売り上げを最大化するため、軽症患者をターゲットとする。

  3. 2000年代初頭では、すでに英国BBCにおいて、軽症患者へのSSRI投与への強烈な批判が繰り返されている。(日本より、10年先だって欧米ではSSRIが「うつは心の風邪」と同様のキャンペーンで投入された。)

  4. 全国精神科医にとって事実上のマニュアル、2003年の「気分障害の薬物治療アルゴリズム」精神科薬物療法研究会著の中で、「わが国では軽症でも、「うつ病には抗うつ薬を使用する」という原則が優先されることから、・・・」と書かれる。

  5. 配布されたパンフレット、うつ病に関する精神科医の書いた数ある本、インターネット、さらにはテレビ(NHK)を含むあらゆるマス・メディアで、うつ病の軽症には「副作用のない安全な」SSRIが有効と記される。

  6. うつ病患者の増大、休職・離職者、そして、数十万人の社会復帰できないうつ病による大量の精神障害者が起きる。これは、薬害による「医原性の精神病」に他ならない。

  7. 2012年になり、唐突に「日本うつ病学会治療ガイドラインII.大うつ病性障害2012」が発行される。「・・・安易な薬物療法は問題解決に向けた患者自身の能動性を失わせるばかりでなく、無用な有害事象に患者をさらし、本来の症状よりも治療そのものが就労や就学、家事などにおいて重荷になることすらあり得る。・・・近年わが国ではうつ病患者が急増しているとされるが、その多くは軽症うつ病、もしくはうつ病と診断される基準以下の抑うつ状態の患者であると推測されている・・・軽症うつ病において、プラセボに対する抗うつ薬の優越性には疑問符がつくことが示されている・・・」

  8. あまりにも唐突で、今までの善意の報道と矛盾するためか、上記ガイドラインはまったくメディアに露出されない。

  9. 2016年、上記ガイドライン2016版発表。大きな内容変更はないが、冒頭に利益相反の開示が行われ、潔白との印象を与えている。

  10. 2017年現在、一部に過激な精神医療批判が存在するが、基本的には「うつは心の風邪」キャンペーン内容が広く信じられ続け、さらなる新薬も含め、全国精神科では相変わらずうつ病軽症者にも薬物療法が行われている。

​参考文献:

 

1)日本うつ病学会 治療ガイドラインII 大うつ病障害(各バージョン)

​ ※クリックすると、PDFファイルが開きます。

2010 - present
2010 - present

2)「うつは心の薬害。」で取り上げた書籍

​ ※カーソルを当てると、「うつは心の薬害。」の中の、該当書籍に関連した部分の引用が見れます。

 ※クリックすると、アマゾンの販売ページが開きます。

3)Tarvide Dysphoria (抗うつ薬の長期投与によるうつ病の悪化・難治性化)に関する情報

​ 

 「うつは心の薬害。」を読んでいただいたある方から、抗うつ薬によるうつ病の重症化・難治性化について、根拠となる資料はあるか?というご質問をいただきました。それにはすでに "Tarvide Dysphoria"という名前が付いていますので、関連WEBページをご紹介します。日本ではなぜか、ほとんど紹介されておらずすべて英語ですが、3つ目が元となる論文でPDFファイルも用意しました。また、ロバート・ウィタカーの本 "Anatomy Of An Epidemic" も紹介します。

Behaviorism and Mental Health:

"Antidepressants Make Things Worse in the Long Term"

(長期的には、抗うつ薬は状態を悪化させる。)

Psychological Today:

"Now Antidepressant-Induced Chronic Depression Has a Name: Tardive Dysphoria"

(抗うつ薬投与により引き起こされる慢性うつ病に名前が付いた。「ターバイド・ディスフォリア」)

Medical Hypothesis:

"Tarvide dysphoria: The role of long term antidepressant use in-inducing chronicle depression"

​(「ターバイド・ディスフォリア」慢性うつ病を引き起こす抗うつ薬長期投与の役割。)

アマゾンの紹介文より、

In this astonishing and startling book, award-winning science and history writer Robert Whitaker investigates a medical mystery:Why has the number of disabled mentally ill in the United States tripled over the past two decades? 

(この驚くべき、また恐ろしい本の中で、受賞歴のある科学・歴史ライターのロバート・ウィタカーが調べ上げるのは、医学の謎「なぜ米国の精神障害者数は、過去20年で3倍にもなったのか?」である。訳・ジェレミー)

※ Tarvide Dysphoria については、「遅発性ジスフォリア」という日本語訳があるようですが、あまり意味を感じませんし、「非常に特殊な事例」という印象を与えるので、私はタイトルには使いませんでした。また、「遅発性ジスキネジア」「遅発性ジストニア」などとも混乱しそうに思いました。

​※ ロバート・ウィタカーの講演ビデオがありましたので、ご紹介します。英語のわからない方でも、彼の気さくな人柄などが見て取れます。(2016年2月22日、Claremont McKenna College という大学にて。)

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