固定電話のナンバー・ディスプレイは、無料にすべき。
- jeremmiemoonchild
- 2017年6月8日
- 読了時間: 5分
先ほど、小学校の先生から電話がかかってきた。
娘が体調不良で休むことにしたのを知り、心配していただいたのだ。今の先生はたいへんですね、いろいろと気を遣って。
で、その電話で気が付いたことがある。電話に出たときに私は名乗らなかったのである。
若いころは、電話には元気よく、「ハイ、〇〇です。」と言って出たものだ。それがマナーであり、当たり前であり、かけた側に間違い電話をしていないことを積極的に知らせ、スムーズに会話にに入るためだ。
ところが、「オレオレ詐欺」の時代となり、電話ではまず名乗らないことが、自衛手段となってきた。世知辛い世の中で、まずは人は疑ってかかれというわけだ。
そもそも我が家にはあまり電話はかかってこない。こんな朝に誰だろう?っと思い、「ハイ。」だけで出ると、「こんな時間に誰だろう?」というニュアンスが相手に伝わった気がする。
原因や対策を考えると、一つ思い当たることがあった。ナンバー・ディスプレイである。電話に出る前に、相手方がわかればこのような失礼は減らすことができる。我が家はナンバー・ディスプレイのオプションを取り入れていない。
理由はコストが高いからである。300円という記憶があったが、どうも432円かかるらしい。光電話自体が540円だと思うのだが、オプションのナンバーディスプレイに432円とはあまりにも高すぎる。年間、5,184円である。10年で、51,840円となる。そもそも、月に5回も有用な電話はかかってこない。

携帯電話では、ナンバー・ディスプレイは当たり前であり、これを利用して端末では電話帳機能が高度に活用されている。この違いは何か?
かつてアナログであった固定電話とは多少の違いがあるかもしれないが、根本的な理由はそこではないだろう。すべての固定電話にナンバー・ディスプレイをするようにしたほうが、一部のオプション・ユーザーのみにそれを提供するよりずっと全体コストはかからないはずだ。
サービス業において、使えるべき技術がそこにあっても使われていないとしたら、理由は明白。競争原理が働いていないからだ。ようするに、独占・寡占利益が享受されているということだろう。
実際、競争原理が働いている固定電話の電話機そのものは、当たり前だがナンバー・ディスプレイ対応が売られている。回線側が情報を提供さえすれば一気に利用が広がる機能なわけだ。
問題なのは、ナンバー・ディスプレイは単なる便利機能ではなくて、「犯罪抑止に必要な機能」であるということだ。固定電話は老人が使っていることが多いし、地域も特定でき、各種電話帳や、リストに載りやすい。振り込め詐欺グループの格好のターゲットのようだ。また、番号非通知で繋がるし、怪しい相手の電話番号が自動的に電話機に残らないので、警察などに通報もしにくい。
もう明らかである。固定電話のナンバー・ディスプレイは公益のために無料にすべき技術である。現状、利用している人が少ないと思われるので、その減収分を基本料金に分散・上乗せさせてもたいした金額にはならないだろう。電話会社は、このような機能は公共性を持った社会資本という認識を持つべきだ。
私は、今朝になって考えてみただけだが、この程度のことは電話サービス提供側はとうの昔に考えたはずだ。だが、公共のことであっても、既得商権を崩すようなことは社内でタブーなのだろう。であれば、ユーザー側が声を上げなくてはならない。
また珍しく、今朝2度目の電話がかかってきた。失礼になってはいけないと思い、今度は名前を名乗るぞと思いながら、電話を取ると、「ピーッ。」ファックスだった。
ジェレミー・ムーンチャイルド
追記、
最近は、固定電話など持たない人が多いらしい。私は、なんでもかんでもスマホの電波を利用するというのには反対だ。技術には特性があり、それに沿った使われ方がなされるような競争原理が働いていなくてはならない。主婦は、よく画像データをスマホのメール添付で送付するらしいが、いかがなものかと思う。
光高速インターネット、Wi-Fi、光(インターネット)電話、これが固定式の回線として将来的にも必要な社会資本である。モバイル通信の電波は極めて限られた社会資本であり、それでないとできない用途に使われるべきである。
料金が高く、固定電話のナンバー・ディスプレイが使われていないことが、歪んだ技術の使用にも結び付いていると考えられる。固定電話を使用するとき、屋外に移動できないということ以外に携帯電話よりも不便を感じたら、それはサービス提供側が既得権にあぐらを掻いているからと考えてよい。
個人的には、データ量の圧倒的な多さで根本的に音質が良いのと、スピーカ・フォンが使えるので話すなら固定電話が好きである。片耳で大声を上げながら携帯電話で話すのを快適と感じたことは、一度もない。
今、スマート・スピーカーなるものがアメリカで流行り始めている。似た感じで、受話器のない、スピーカ・フォンに徹した、まったく新しい固定電話というものがあっても良いと思う。できることなら、マーケターとして自分で開発したい・・・。
調べると、スマート・スピーカー、アマゾンのAlexa (日本未発売)に電話機能を載せるプロジェクトが進んでいるようです。当然の成り行きでしょう。機械と話せるなら、人間と話す方を先にすべきかと・・・。
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