Windows10が不調!SSDへの換装をあきらめるな。
- jeremmiemoonchild
- 2019年9月6日
- 読了時間: 8分
Windows10のクリーン・インストール方法なんて、いくらでもネット上に解説がなされている。専門外のこんなありがちなことについて私が書いておく必要がある思ったのは、かんたんにできることなのに調べるとかえって難しく思えてしまい、結局あきらめて放置したり、メーカーやパソコン・ショップに頼んで数万円を徴収されるだけでなく、本当の知識を得られないままになってしまうケースが多いと感じたからだ。なかには、二束三文でジャンクとして売却したり、粗大ごみとして費用を払って処分したりした上に、パソコンを買い替える人もいるに違いない。
私が言いたいのは以下のポイント。
1. 「回復ドライブ」、「修復ディスク」は不要 2. ライセンス認証は不要
3. 各種ドライバーの準備は不要 4. HDDが取り出せるか否が肝 5. SSDの選び方 6. SSDのフォーマットは不要(MBR/GPTフォーマット、レガシー/UEIF問題回避) 7. Windows10のインストール・メディアは自分で作れる
ちまたの解説を読むと、上に掲げたいくつもの「不要」は必要なものとしてその方法がときには詳細に紹介されている。それらが間違っているとは言わない。むしろ、あらゆるケースで確実にWindowsのインストールをするには必要な知識で、正しいのだろう。
しかしながら、現実には理想的なことはできない状況の方が多い。HDDの異常でカタツムリよりも動きの遅いマシンにはもはやなにかを作成したり、確認したりすることすらできない。また、書かれていることに対する、基礎となる知識の不足で理解できない場合も多い。多くのケースで実際には「不要」なことで頓挫するよりは、やってみて運悪くその問題にぶち当たってしまったら、さらに調べて対処すればよいのではないか。
「不要」ではなく、反対になにが本当にSSDへの換装とWindows10のクリーン・インストールに必要かという書き方をするなら、たったこれだけである。
A. SSDの購入
B. インストール・メディア(8GBのUSB、または二層DVD)の作成
この文章の対象になるのは、パソコンの上級者ではなく初級から中級者。私自身もそんなものだ。また、パソコンのデータやプログラム、Windowsの設定などの環境を維持したい場合ではなく、以下のような状況でこの機会にSSDに換装し、Windows10のクリーン・インストールをする場合である。意外と多いのではないか。ちなみに、私の場合は③である。私の今回の対象マシンはDELLのノートPCで、HDD異常で極端に動作が遅くなった状態だった。
① 譲ってもらったパソコンなどを、まっさらなWindows10にしたい
② データやプログラムはあきらめてでも、パソコンを救済したい
③ データはバックアップがあり、プログラムもほとんど無料のもので、パソコンを救済したい
それでは、本題である。冒頭に書いたように、他の方のすぐれた多くの記述がある中で、逐一スクリーン・ショットで手順を説明はしない。それらは他のサイトに譲る。私は上記要点の簡潔な記述にとどめて、混乱のないように指針を示す主旨に固執する。
1. 「回復ドライブ」、「修復ディスク」は不要
前者は工場出荷時に戻すため、後者はシステムを復元するためのもののようだ。いずれにせよ、クリーン・インストールには不要。実は、ある大手PCショップで今回のSSDへの換装を電話相談したところ、回復ドライブが必要で、それがないとWindows10の認証ができないと言われてしまった。これは次に述べる通り、明らかに間違い。修理するショップですらこのような間違いをいう。
2. ライセンス認証は不要
Windows10が動いていたマシンなら、Microsoftは自動的に認証をしてくれる。私の場合なら、DELLがWindows10付きで売ったマシンだとWindows10のインストール中にMicrosoftが認識してくれるということ。これをデジタル認証という。以前のように、緊張しながら長い暗号のようなプロダクト・キーを打ち込まなくてよいようにしてくれたわけだ。私の場合、プロダクト・キーはわからない状態にある。
3. 各種ドライバーの準備は不要
クリーン・インストールの方法を調べると、まずは各種ドライバーを用意するようにと説明しているところがある。これも、Windows10のインストール時に勝手に行われるので、不要だ。ドライバーとはOSとデバイスを繋ぐソフトウェアのことで、チップセット(CPUなどの機関部品セット)・ドライバー、グラフィック・ドライバー、オーディオ・ドライバーなどがある。Windows10のインストール後でも、問題があればデバイス・マネジャなどで対処できる。
4. HDDが取り出せるか否かが肝
自分でできるかできないか、この境目は物理的に既存のHDDが安全に取り出せるかどうかにかかる。外せるということは、工程を逆にSSDを装着することもわけなくできる。したがって、SSDを注文する前にHDDが取り出せるかどうかをやってみよう。
大型のデスクトップであれば作業はしやすい。まずは、自分のパソコンの「機種名 SSD換装」などで検索してみる。私の場合は運よく、DELLのInspiron 5459という機種そのもので写真付きで解説されていたサイトがあったので、安心して裏側のネジを外して比較的簡単にできた。正しくは、サービス・マニュアルというものを参考にすべきなのだろう。DELLのノートでも最近の機種は、裏側のネジではなく、表側のキーボードを外す必要があるようだ。その場合、私なら自分で行うことはあきらめたと思う。
あたりまえだが、慎重にやること。部品に無理な力をかければ破損するし、配線に無理な力をかければ断線してしまう。配線を弄る部分は、HDDやSSDの接続をしているSATAコネクタの抜き差しだけだが、とくに抜くときに力を入れる必要があり、めでたく抜けた瞬間に思わぬ力があっちこっちにかかってしまい、悲惨な結果を憂うことになる可能性がある。もし、SATAの抜き差し作業をいままでまったくしたことがないのであれば、配線の短いノート・パソコンでのデビューは止めた方がよいかもしれない。写真の赤丸がHDDディスクのSATAケーブルを外したところ。

一応申し上げるが、機械を弄る際、電源を切り、電源ケーブルだのバッテリだのを外しておくのは常識中の常識だ。このあたりがどうもわからない方は、パソコン以前にご自身の命を守るためにもパソコン・ショップに依頼した方がよい。
5. SSDの選び方
さて、勢いでHDDが取り出せてしまったなら、もはや、もうこれはSSDを買うしかない。私はアマゾンで、
① ある程度有名なメーカーで安く、
② なおかつ不良率かもしれない「レビューで星一つ」の率が少ないもの
にした。Amazon限定のCrucial BX500 240GBだ。120GBでも容量としては構わないのだが、SSDは大きい方が原理的に速度にも、寿命にも有利だと考えている。今は240GBで4,000円もしない。ちなみに、メインのデスクトップ・パソコンに入れたSSDもCrucialで当時はMX200という型番だったが、以来絶好調なのでメーカー的にはなんとなく安心だ。

よほど古いマシンでない限り、インターフェイスはSATA3 6Gb/sでよいし、サイズはふつう2.5インチである。
6. SSDのフォーマットは不要(MBR/GPTフォーマット、レガシー/UEFI問題回避)
すこしパソコンのことを知っていると、SSDは使用前にフォーマットしなくてはと思う。調べるとこれこれのようにすべきとの解説がある。しかしながら、新品のSSDであれば、これもWindows10のインストール時に自動で行われるのでそれに任せた方がよい。
実際には、中途半端な知識はかえってトラブルの原因になるようだ。Crucialのサイトにも、QuickではないFull Formatを行ってしまうと「SSDの寿命が短くなる恐れがあります」とある。フォーマットの形式にMBRとGPTというのがあり、どうもこれがインストール方法と結びついている。レガシーBIOSでインストールするならMBRでフォーマット。UEFIでインストールするならGPTでフォーマットということのようである。なんのこっちゃサッパリわからん、と私も思う。だが、この組み合わせを無視してフォーマットをしてしまうとインストールができなかったり、インストール後に起動できなかったりするらしい。Windows10のクリーン・インストールに関するトラブルの最大の原因はわざわざ行ったSSDのフォーマットにあるように私には思える。
DELLのInspironの場合、BIOSのBoot設定を見るとどうもUEFIがデフォルトのようである。どうせレガシーBIOSだろうと思ってMBRでフォーマットしていたら、トラブルになった可能性がある。

7. Windows10のインストール・メディアは自分で作れる
問題を抱えたSSD換装対象のマシン以外に元気なマシンは必要だが、Windows10のインストール・メディアはマイクロソフトのサイトから自分で作れる。別のマシンが自宅にないのなら、友人の家に行けばよい。友人が作ったインストール・メディアがすでにあれば「ラッキー大吉」で、それでよい。
必要なのは、8GBのUSBメモリか、片面2層のDVDだ。後者は番組録画用でも構わない。というか、たぶんそれしかない。私が使ったのはこれだ。容量の大きいブルーレイ・ビデオの普及のおかげで、片面2層のDVDは少なくなっている。だが、パソコン用にブルーレイ対応のドライブを持っている人はまだ多くはないから、無くなって欲しくはない。


インストール対象マシンの光学ドライブがブルーレイ対応であればBDでもよいだろう。4GBを若干上回るので、ふつうの1層のDVDでは厳しい。DVDの場合、一度HDDなどにダウンロードしたデータを、エクスプローラーで指定すると上に「ディスクイメージツール」が現れるので、左の「書き込み」からドライブを指定して行う。書き込みの動向が気になり家族のだんらんには注力できなかったが(家族によると、それは特段珍しいことではないらしい)、夕食を食べるくらいの時間がかかった。

モノとしてはUSBの方が手に入りやすいかもしれないが、私はOSのインストールはDVDにしている。実際、BIOSの設定を見ても光学ドライブに設定されている。ブート条件を変更することはできるが、面倒なことをせずにデフォルトのまま使えるのがよい。1枚あたりのコストも100円~200円でUSBメモリより安い。起動中にF12を押すと以下の画面が出て、リターン・キーでインストールが始まった。

驚いたことに、30分もかからずにWindows10のインストールは無事終了した。Creator's Update以降なのか、音声ガイダンスによる設定だった。やはり、SSDは起動も動作も速く、大満足な結果である。HDDとは異なり、中に機械回転系を持たないので故障も少ないと信じる。
なによりも、自分でできたという達成感がよいし、結果的に知識が増えたのがもっと嬉しい。
ジェレミー・ムーンチャイルド
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